ガイドとヒント
職場のイベントで浮かずにお酒を飲まないでいる方法
職場のイベントでお酒を飲まずに過ごすには、計画を持って臨むことが大切です。会場に着いたら早めにノンアルコールの飲み物を手に取り、到着前に帰る時刻を決めておき、誰かに聞かれたときのための温かい一言を用意しておく。意志の強さよりも、状況そのものが重要です。オフィスのハッピーアワー、クライアントとの会食、カンファレンス、出張はそれぞれ違う形でプレッシャーをかけてくるので、「とにかく飲まない」という漠然とした決意より、そのイベントに合わせた具体的な計画のほうが効果的です。
難しいのは会場そのものより、たいてい自分の頭の中です。職場でお酒を断るのが重く感じるのは、周りの同僚が自分のグラスを見て判断していると思い込んでしまうからで、実際にはほとんど誰も気にしていません。スポットライト効果という現象を突き止めたコーネル大学の研究では、恥ずかしいTシャツを着た被験者は会場の約半数が気づくだろうと予想しましたが、実際に気づいたのは約4分の1だけでした。キャリアの成長もバーの中で決まるわけではありません。しっかりその場にいて、社交的に振る舞いながら、完全にしらふでいることは十分可能で、たいていの人はあなたが何を飲んでいるかなど記憶にも残りません。ここからは、イベントの種類別のプランと、何を注文すべきか、そして覚えておく価値のある一言を紹介します。
職場のイベントで飲まずにいるのが実際より難しく感じる理由
職場での飲酒には、友人とのパーティーにはない重さがあります。それには3つの要因が重なっています。まず、立場の問題があります。乾杯をスキップすると距離を置いているように見えるのではないか、クライアントに堅苦しい印象を与えるのではないかと心配になります。次に、こうしたイベントは繰り返されるため、一度の気まずい瞬間が次のハッピーアワー、さらにその次までついて回るように感じてしまいます。そして、お酒がチームの結束の象徴として扱われることが多いため、断ることが飲み物そのものではなく、集団を拒絶しているように感じられてしまうのです。
しかし、よく調べてみるとどれも根拠は薄いものです。2000年にトーマス・ギロヴィッチらが最初に測定したスポットライト効果は、私たちが自分の行動をどれだけ人に見られていると思い込んでいるかを示しています。その研究の被験者たちは会場の約半数が自分のTシャツを言い当てられると予想しましたが、実際に言い当てられたのは約4分の1だけでした。あなたのソーダも同じ扱いを受けます。感じているよりずっと注目されていないのです。この研究の詳細と、あわせて使えるフレーズについては、お酒を断る方法のガイドで詳しく解説しています。
一番助けになる考え方の転換はこれです。あなたは何かを宣言しているのではなく、ちょっとした質問にちょっとした答えを返しているだけ。同僚たちはあなたのグラスではなく、あなた自身に会いに来ているのです。
どんな職場イベントにも通用する、たった1つのプラン
職場イベントへの良い向き合い方は、どんな場面でも同じ3つの要素でできています。「事前」「最中」「退出」と考えるとわかりやすいでしょう。
事前。 会場に着く前に2つのことを決めておきます。何を注文するか、そして何時に帰るかです。あらかじめ帰る時刻を決めておくことは、最も効果的な一手です。それによって、終わりの見えない夜が、区切りのある夜に変わるからです。事前に何か食べておくことも大切です。疲れてお腹が空いた状態で、お酒が無料の会場に足を踏み入れるのは、その夜で一番厳しい状況であり、それは避けられるものです。
最中。 常に飲み物を手に持っておきましょう。満たされたグラスには、勧誘も質問も向けられません。それに、手持ち無沙汰にもなりません。そのうえで、そこに来た本来の目的、つまり人に会うこと、ローンチを祝うこと、あるいは商談をまとめることに意識を向けます。バーの近くで注目されるのを待っているより、役に立ち、興味を持って動くほうがずっと支えになります。
退出。 顔を見せて、しっかりした会話を2、3回するくらいの時間だけ滞在したら、帰りましょう。早く帰ることは失礼ではありませんし、誰が先に帰ったかを記録している人などいません。翌朝早いというのは、どんな同僚も反論できない立派な理由です。
この考え方は、これから紹介するどのイベントにも当てはまります。細かい部分だけ、それぞれの場に合わせて変えていきます。
オフィスのハッピーアワーや仕事帰りの飲み会
定例のハッピーアワーは最もよくあるテストであり、日常のこととして扱えば計画も一番立てやすいものです。会場に着いたら誰かがラウンドを買う前に、まずソーダ、スパークリングウォーター、あるいはノンアルコールビールを手に取りましょう。最初から飲み物を手にしておくことで、「何飲んでるの?」というやり取りのほとんどを避けられます。
会場に入る前に帰る時刻を決めておき、そこにいる間に自分に「仕事」を課しましょう。本当に話したい2人を見つけて、それぞれとちゃんとした会話をするのです。それを終えて、大事な人たちに顔を見せられたら、ハッピーアワーの目的はもう果たしています。挨拶をして、そこで切り上げましょう。ダーツやビリヤード、クイズ大会があれば参加するのもおすすめです。何かをしているほうが、ただ立っているより気楽ですし、夜の主役をグラスではなくグループそのものにしてくれます。
クライアントとの会食やビジネスランチ
クライアントとの会食は、お金と関係性が絡むぶん、より重く感じられます。しかし実際には見た目ほど難しくありません。なぜなら、ワインリストを仕切るのはあなたではないからです。事前にメニューにざっと目を通し、注文を決めておきましょう。そうすれば、店員が来たときに先に、自信を持って言えます。食事にはスパークリングウォーター、食後はコーヒーかミントティー。ワインがテーブルを回る前に注文しておくことで、「礼儀として一杯だけ」という誘惑を避けられます。
お酒についてはクライアントに主導権を委ね、自分の飲み物には特にコメントせずそのままにしておきましょう。説明する必要はありませんし、自分が飲まないことにわざわざ注目を集めるほうが、黙ってソーダを注文するよりもよほど大ごとになってしまいます。商談はあなたのグラスの中身で決まるわけではありません。もし励みが必要なら、クライアント会食での冷静な頭は資産だと考えてください。細部をきちんと覚えていられますし、本当のニーズを見逃さず、あとで後悔するようなメッセージを送ることもありません。食事のあとは温かい雰囲気のまま切り上げ、遅くまで二軒目に付き合うのは避けましょう。
カンファレンス、ネットワーキング、出張
カンファレンスやネットワーキングイベントは仕事とプライベートの境目があいまいで、無料のバーが夜通し開いていることも珍しくありません。お酒とは無関係な目標をひとつ決めましょう。しっかりした会話を3回できたら、もう自由に帰っていい、というふうに。会場の端を歩き、両手がふさがるようソフトドリンクを持ち、好奇心を小道具代わりにしましょう。3回の会話を終えて連絡先を交換したら、その夜はもう「勝ち」です。そこで退出しましょう。
出張にはまた別の落とし穴があります。がらんとしたホテルの夜、ミニバー、「せっかくだからみんなで一杯」という空気です。対策はスケジュールを組むこと。朝にしゃきっとする理由ができるよう旅程を組みましょう。早朝の運動でも、散歩でも、家族への電話でもかまいません。ホテルの夜は自宅の夜のように過ごします。部屋、食事、クールダウン、睡眠です。空港のバーとミニバーは避け、グループが繰り出すなら夕食までは付き合い、2杯目が始まる前に部屋に戻りましょう。翌朝の不調がこれまで辛かったという方は、ハングザエティのガイドで、あの不安まじりの重い目覚めがなぜ起きるのか、そしてお酒を飲まなければそれ自体を避けられる理由を解説しています。
何を注文するか、聞かれたときに何と言うか
決まった注文を持っておくと、細かい判断の数がぐっと減ります。シンプルに、自分が本当に好きなものを選びましょう。ライム入りスパークリングウォーター、ノンアルコールビール、コーラ、あるいは提供している店ならきちんとしたモクテルでもかまいません。大事なのは、自分が楽しめる飲み物を手にして、手ぶらで立っている状態を作らないことです。ノンアルコール飲料のおすすめには、代替品ではなく、本物の飲み物として楽しめる選択肢をまとめています。
まれに誰かに実際に聞かれたときは、温かい一言があれば十分です。「今はお酒をやめていて、調子いいんだ。ところで最近何してるの?」と言えば、一瞬で話題を変えられます。「今夜はやめておきます。明日の朝、頭をすっきりさせておきたくて」は、どんなクライアント会食でも通用します。健康の経緯や背景事情、「今度は飲みます」という約束を語る必要はありません。落ち着いた「いいえ」を一度言うだけで、長々とした説明をするより早く話題は終わります。説明が長いほど、かえって質問を招いてしまうものです。
自分が今どんな状況に立っているかを知っておくことも役立ちます。米国基準の1ドリンクは純アルコール14グラムに相当し、判断力を鈍らせるレベルに達するのは、多くの人が思うより少ない杯数で起こります。NIAAA(米国立アルコール乱用・依存症研究所)は、約2時間以内に女性で4杯、男性で5杯を「ビンジ・ドリンキング(短時間大量飲酒)」と定義しています。職場のイベントでは、礼儀としての一杯がいつの間にか三杯になっていることも多く、その一線はあっという間に近づいてきます。そもそも数え始めないことが、最も穏やかな選択です。
次のイベントに向けてプランを作ろう
これから控えているイベントと、それについて今どう感じているかを選ぶと、このプランナーがその場に合わせた計画を作ってくれます。何を注文するか、事前にできる一手、当日の心の支え、きれいな退出方法、そして聞かれたときの一言まで。
そのイベント用のプランを作ろう
イベントの種類と今の気持ちを選ぶと、その場面に合わせたプランが作られます。何を注文するか、事前にできる一手、当日の心の支え、きれいな退出方法、そして聞かれたときの一言まで。
ソーダにライム、またはお店にあればノンアルコールビール。まず手に取ることが大事。
- 行く前に
会場に入る前に帰る時刻を決めておき、先に何か食べておく。疲れてお腹が空いた状態でバーに入るのが一番きつい。
- その場では
グラスを常に満たしておく。満杯のグラスには誰も勧めてこないし、注ぎ足すタイミングも自分次第。
- 退出のしかた
顔を見せて、ちゃんとした会話を2回したら帰る。誰が先に帰ったかなんて誰も数えていない。
“今はお酒をやめていて、調子いいんだ。ところで、最近何してるの?”
始めたばかりのうちは、1つのイベントは1つのイベントにすぎません。スマートに振る舞う必要はなく、ただそこにいればいい。予定どおりに帰れたら、それは撤退ではなく勝利です。
実際よりも見られていると感じてしまうものです。スポットライト効果を明らかにした研究では、被験者は会場の約半数が自分に気づくと予想していましたが、実際に気づいたのは約4分の1でした。あなたのグラスの中身を気にしている人は、ほとんどいません。
これはあくまで出発点のプランであり、ルールではありません。自分に合うところだけ取り入れて、あとは気にしなくて大丈夫。誰にも理由を説明する義理はありません。
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よくある質問
目立たずに職場のイベントで飲まないでいるにはどうすればいいですか?
会場に着いたらすぐにノンアルコールの飲み物を手に取り、そのまま持ち続けましょう。満たされたグラスには、勧誘も質問も向けられません。ラウンドが始まる前に早めに注文し、会話に加わり続けましょう。ほとんどの場では、あなたのグラスの中身を気にする人も、気にする理由もありません。
上司やクライアントからお酒を勧められたら何と言えばいいですか?
短く、温かく答えましょう。「今夜はやめておきます、明日は頭をすっきりさせておきたくて」。そのあと相手について何か質問してみてください。説明する義理はありませんし、落ち着いた一言の「いいえ」のほうが、長い理由付けよりも早く話題を終わらせられます。長い説明はかえって質問を招くだけです。
お酒を飲まないことでキャリアやネットワーキングに悪影響はありますか?
ありません。キャリアの成長は、あなたがこなす仕事と築く関係性で決まるのであって、相手と同じペースで飲むかどうかでは決まりません。冷静な頭は、名前を覚えたり、場の空気を読んだり、きちんとフォローアップしたりするのに役立ちます。お酒を飲まない上級職の人はたくさんいますし、誰が飲んで誰が飲まなかったかを覚えている人はほとんどいません。
みんなが夜にお酒を飲む出張はどう乗り切ればいいですか?
夜に構造を持たせることで、何もない空白の時間にしないようにしましょう。早朝の活動を計画し、ホテルの夜を自宅の夜のように過ごし、ミニバーは避けます。夕食まではグループに付き合ってもよいですが、遅い時間のラウンドが始まる前に部屋に戻りましょう。出張だからといって、ナイトキャップが必須というわけではありません。
断酒したばかりで、初めての職場イベントが不安です。何かアドバイスはありますか?
計画を持って臨み、小さくまとめ、早く帰る許可を自分に与えましょう。スマートに振る舞う必要はなく、ただそこにいればいいのです。渇望が押し寄せてきたときは、アルコールへの渇望への対処法のガイドに、その場でできる対処法をまとめています。予定どおりに帰れたなら、それは撤退ではなく勝利です。
率直なまとめ
職場のイベントで飲まずにいることは、意志の強さの問題というよりも、段取りの問題です。会場に着く前に注文と帰る時刻を決めておき、飲み物を手に持ち、そこに来た理由に意識を向け、聞かれたときのための温かい一言を用意しておきましょう。ハッピーアワー、クライアント会食、出張はそれぞれ少しずつ求められるものが違うので、プランはイベントに合わせて調整してください。不安の多くは会場そのものではなく、頭の中にあるものです。何度かこうした場を経験するうちに、その不安は急速に薄れていきます。
記録をつけることで、そのパターンが目に見えるようになります。Sober Tracker: Go Alcohol Freeは、あなたの端末上でプライベートにお酒を飲まなかった日数を数えてくれるアプリで、アカウント登録もサインアップも必要ありません。Reflectタブでは、それぞれの職場での夜が実際どうだったかをメモしておくこともできます。不安だったイベントが1つ、また1つと無事に終わっていくのを見ることが、プランを習慣に変えていくのです。まだ迷っているなら、ソバーキュリアスについての記事が穏やかな出発点になります。App StoreまたはGoogle Playから無料でダウンロードできます。
Sources
- NIAAA: Understanding Alcohol Drinking Patterns
- NIAAA: The Basics: Defining How Much Alcohol Is Too Much
- Gilovich, Medvec & Savitsky (2000), The Spotlight Effect in Social Judgment, Journal of Personality and Social Psychology
- NHS: Tips on cutting down on alcohol
- World Health Organization: No level of alcohol consumption is safe for our health