禁酒後の肝臓の痛み:原因と対処法

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禁酒後の肝臓の痛みは、たいてい右の肋骨の下の鈍い痛みや張った感じです。肝臓が腫れていることが原因の場合もありますが、胆嚢、膵臓、胃、さらには痛めた筋肉でも同じ場所が痛むことがあります。回復のサインとして当てにできるものではないため、数日以上続く痛みは受診して肝臓の血液検査を受けるべきです。皮膚が黄色くなる、発熱、吐血、錯乱がある場合は救急の対応が必要です。

長期間にわたって大量に飲酒する人の90〜95%で肝臓に脂肪がたまり、そのうち20〜40%は瘢痕化(線維化)に進むと、Alcohol Research: Current Reviews の2022年のレビューは述べています。NHSによると、アルコール関連肝疾患の人の多くは、障害が進行するまで何も感じません。初期の症状は漠然としていて、腹痛、食欲不振、疲れ、吐き気などです。

NHSによると、初期の脂肪肝は、お酒を飲まない状態が約2週間続くと正常に戻ることがあります。アルコール関連肝炎は様子が異なります。大量飲酒から60日以内に黄疸が現れるものと定義されているため、すでにお酒をやめたあとに表面化することもあります(StatPearls)。

肝臓はどこにあり、肝臓の痛みはどんな感じ?

肝臓は腹部の右上にあり、ほとんどが右の下部肋骨の裏側に収まっています。

NIDDKは、肝臓の不快感を、腹部の右上側の軽い痛みと説明しています。一般的には次のように表現されます。

  • 刺すような痛みではなく、鈍くて重い痛み
  • 右の肋骨の下に感じる張った感じや圧迫感
  • そこを押したり、きついウエストバンドをしたりすると強まる痛み

この痛みは右肩や背中のほうへ広がることがありますが、近くの臓器の痛みも同じように広がるため、場所だけでは何が悪いのかは分かりません。

お酒をやめたのに、なぜ肝臓が痛むの?

いくつかの説明が当てはまり、複数が重なることもあります。

腫れた肝臓がその被膜を引き伸ばしている。 肝臓の組織そのものには、痛みを感じる神経がほとんどありません。痛みを感じるのは、グリソン被膜と呼ばれる薄い外側の膜です。肝臓が脂肪や炎症で大きくなると被膜が引き伸ばされ、鈍い痛みとして感じられます。この腫れが落ち着くまでには数週間かかることがあるため、最後の一杯のあとも痛みが残ることがあります。

ようやく気づけるようになった。 アルコールは痛みを鈍らせます。お酒を断ち、最初の数日は離脱症状で落ち着かないことも多いなか、以前からあった違和感に気づく人はたくさんいます。

アルコール関連肝炎が遅れて現れる。 これは見逃してはいけないものです。StatPearlsによると、NIAAAによるアルコール関連肝炎の定義は、大量飲酒(少なくとも6か月間、1日50 gを超えるアルコール)から60日以内に黄疸が始まることです。米国の標準的な1ドリンクにはアルコールが14 g、英国の1ユニットには8 g含まれるため、50 gは米国のドリンクで約3.5杯、英国のユニットで6強にあたります。

つまり、大量に飲んでいた人は、断酒から数週間たったころに、右側の痛み、発熱、皮膚の黄ばみを伴って発症することがあります。その場合は速やかに医師の診察が必要です。

隣り合う臓器。 胆石、胃粘膜の炎症、膵炎はいずれも上腹部の痛みを引き起こします。

断酒初期のそのほかの要因。 便秘、ガスの滞り、筋肉の緊張も、肋骨のあたりに痛みを起こすことがあります。アルコールと腸の健康のガイドでは、まず何が落ち着くのかを解説しています。

肝臓の痛みは、肝臓が回復している証拠?

フォーラムでよく見かけるこの説に、確かな根拠はありません。肝臓の回復は多くの場合、静かに進みます。一方で、肝臓のあたりの痛みは、アルコール関連肝炎や肝硬変など、対応が必要な状態でみられます(NIDDK、StatPearls)。

痛みは、一度確認する価値があるというサインです。血液検査と、場合によっては画像検査で原因が分かります。回復の側面については、禁酒後に肝臓がどう回復するかの記事で、各段階とかかる期間を順に解説しています。

肝臓、胆嚢、膵臓、胃、それとも筋肉?

右上腹部の痛みには、よくある原因がいくつかあります。この表は医師と話すための目安であり、自分で何かを除外するためのものではありません。

考えられる原因典型的な感じ方典型的な経過手がかり
肝臓(腫れ、脂肪肝、肝炎)右の肋骨の下の鈍い痛みや張った感じ持続的で、数週間続くことがある疲れ、食欲不振。肝炎なら黄疸や発熱
胆嚢(胆石)右の肋骨の下または中央の突然の激しい痛み通常1〜5時間続き、その後おさまる脇腹や肩甲骨に広がることがある。脂っこい食事のあとに起こることも
膵臓(急性膵炎)みぞおちの激しい痛みで、背中に抜けることが多い突然始まり、次第に悪化する嘔吐、発熱。前かがみで楽になり、仰向けで悪化する
胃(胃炎、逆流)胃の上部や胸骨の裏の焼けるような感じ食事の前後や横になったとき消化不良、酸っぱい味
筋肉または肋軟骨鋭い痛みで、押すと痛いひねる、咳をする、深呼吸すると悪化する運動や新しい活動のあとに多い

肝臓と胆嚢の詳細はNIDDKとNHSに、膵臓の詳細はNHSに基づいています。

NHSによると、胆石の痛みが5時間より長く続く場合や、高熱を伴う場合は、胆嚢の炎症の可能性があり、緊急の対応が必要です。アルコール関連の膵炎の痛みは、大量飲酒の6〜12時間後に始まることが多く、最後の深酒の翌日に起こることもあります。

痛みよりも焼けるような感じが主な症状なら、アルコールと逆流性食道炎の記事で、お酒をやめると胸やけが軽くなることが多い理由を解説しています。

禁酒後の肝臓の痛みはいつまで続く?

原因と、肝臓がどのくらい影響を受けていたかによって異なります。

何が起きているか回復についてエビデンスが示すこと出典
初期の脂肪肝お酒を飲まない状態が約2週間続くと正常に戻ることがあるNHS
アルコール関連肝炎飲酒をやめた人では、通常は数か月かけて肝炎が落ち着くStatPearls
肝硬変瘢痕は元に戻らないが、断酒でそれ以上の障害の進行は遅くなるNHS、StatPearls

危険なサインがなく、鈍い痛みが最初の1〜2週間で着実に薄れていくのは、最も心配の少ないパターンです。それ以降も痛みが続く、あるいは悪化する場合は、様子を見ずにかかりつけ医の予約を取りましょう。

体のほかの部位の炎症には、それぞれの経過があります。禁酒で炎症は減るのかで解説しています。

右肋骨の下の痛みが緊急になるのはいつ?

痛みに次のいずれかが伴う場合は、救急の助けを求めてください(お住まいの地域の緊急番号に電話するか、救急外来へ行く)。

  • 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)、または非常に濃い色の尿。特に新しく現れた場合や急速に悪化している場合
  • 吐血、または黒くタール状の便
  • 錯乱、普段にない強い眠気、性格の変化
  • 痛みとともに高熱や悪寒がある
  • 持続的で、悪化していく、または5時間を超えて続く激しい痛み

お腹の腫れや、脚や足首の新たなむくみは、通常は救急車を呼ぶほどではありませんが、その日のうちにかかりつけ医(またはNHS 111)に相談する必要があります。

NIDDKは、肝疾患で救急受診の理由となるものとして、錯乱、吐血、直腸出血、急速に悪化する黄疸を挙げ、肝硬変が進行しているサインとして尿の色が濃くなることを挙げています。NHSは、より進行したアルコール関連肝疾患のサインとして、強いかゆみ、脚や腹部の水分貯留によるむくみ、悪寒を伴う発熱を加えています。

離脱症状は、これとは別の緊急リスクです。毎日大量に飲んでいる場合、急にやめると、けいれん発作や振戦せん妄など、危険なアルコール離脱症状が起こることがあります。医療的な指導なしに突然断酒しないでください。

アルコール離脱症状と安全にお酒を減らす方法のガイドで、警告サインを解説しています。けいれん発作、幻覚、激しい震えがある場合は、ただちに医療機関で助けを求めてください。

肝臓の痛みで、医師は何を調べる?

肝機能検査。 通常はALT、AST、GGT、ビリルビンを含む血液検査です。酵素の上昇は肝臓への負担を示し、ビリルビンは黄疸に関係します。今の検査結果は、あとで比べるための基準値にもなります。

超音波検査。 肝臓の脂肪、肝臓の大きさ、胆石を一度に確認できます。

フィブロスキャン。 肝臓の硬さを推定して瘢痕化を調べる、短時間で痛みのない検査です。NHSはこれを、アルコール関連肝疾患の検査のひとつとして挙げています。

正直に答えることがいちばん役立ちます。どのくらいの量をどのくらいの期間飲んでいたか、最後に飲んだ日、痛みが始まった時期、何で楽になり何で悪化するかを医師に伝えましょう。こうした情報が、どの検査を行うかの判断に役立ちます。飲んだ量の数え方に自信がなければ、標準ドリンク計算機の記事で、グラスの杯数をユニットやグラムに換算できます。

待っている間は、お酒を控え、食事を規則正しくとり、鎮痛薬を飲む前に薬剤師に相談してください。パラセタモール(アセトアミノフェン)には1日の上限があり、肝臓に負担がかかっているときは特に重要です。イブプロフェンなどの抗炎症薬は胃を刺激することがあります。

あなたの痛みのパターンをチェック

このチェッカーは、どのくらい早く受診すべきか、そしてあなたの痛みのパターンがどの部位に関係しそうかを示します。何かを診断するものではなく、危険なサインがある場合はそれが常に最優先です。

インタラクティブ肝臓の痛みチェッカー

お酒をやめてから右の肋骨の下が痛い:どのくらい早く受診すべき?

3つの簡単な質問に答え、当てはまる警告サインにチェックを入れてください。チェッカーが、どのくらい早く受診すべきか、そして痛みがどの部位から来ている可能性があるかを示します。何が悪いのかを判断することはできません。

1 どこが痛みますか?

あなたの右側あなたの左側

2 どんな痛みですか?

3 どのくらい続いていますか?

4 次のうち当てはまるものはありますか?

当てはまるものすべてにチェックを入れてください。なければ空欄のままにしてください。

最初の3つの質問に答えると、結果が表示されます。

これはどのくらい早く受診すべきかを判断するための目安であり、診断ではありません。

Sober TrackerのReflectタブで毎日の体調を記録しておくと、受診のときのメモとして使えます。

Sober Trackerでメモを残す

よくある質問

お酒をやめたあと肝臓が痛むのは普通ですか?

右の肋骨の下に痛みを感じる人は多くいますが、それだけで無害とはいえません。腫れた脂肪肝、胆石、胃、痛めた筋肉のいずれも原因になりえます。数日以上続く、または繰り返す場合は、かかりつけ医を受診して肝臓の血液検査を受けてください。

肝臓が痛むのは、肝臓が回復している証拠ですか?

そうだという確かな根拠はありません。肝臓の回復は通常、静かに進みます。脂肪が減り、炎症が収まっていくときに、信頼できる感覚は生じません。肝臓のあたりの痛みは、医師が評価すべき腫れや炎症と結びついていることのほうが多いのです。受診のきっかけと考えてください。

禁酒後の肝臓の痛みはどのくらい続きますか?

原因によります。NHSによると、初期の脂肪肝はお酒を飲まなければ約2週間で正常に戻ることがあり、アルコール関連肝炎が落ち着くには数か月かかります。1〜2週間で着実に薄れていく軽い痛みは、それほど心配いりません。痛みが続く、または悪化する場合は、かかりつけ医の受診が必要です。

肝臓の痛みか胆嚢の痛みかは、どう見分けますか?

肝臓の不快感は、鈍く持続的な痛みであることが多いです。胆石の痛みは通常、突然で激しく、1〜5時間続き、脂っこい食事のあとに肩甲骨へ広がることもあります。重なる部分が大きいため、確実に見分けるには超音波検査が有効で、両方を一度に調べられます。

お酒をやめれば、肝臓は完全に回復しますか?

脂肪肝や、アルコール関連肝炎の多くは、断酒を続けることで回復します。肝硬変による瘢痕は元に戻りませんが、お酒をやめることでそれ以上の障害の進行が遅くなり、見通しが良くなります。どの段階にあるかは、血液検査と、必要に応じた画像検査で医師が判断できます。

まとめ

禁酒後の肝臓の痛みは、確認する価値があります。多くは腫れた肝臓が落ち着きつつあるか、隣り合う臓器が原因です。回復の証拠ではなく、何が原因かは血液検査と画像検査でたいてい分かります。

危険なサインに注意してください。黄ばみ、発熱、錯乱、吐血、激しい痛みや長引く痛みです。

Sober Tracker: Go Alcohol Free は断酒した日数を数えるので、医師に聞かれたときに最後に飲んだ日がいつでも分かります。Reflectタブでは、毎日の気分チェックインと、その日の出来事を書き留める場所が使え、Progressでは、あなた自身の記録から分かりやすい言葉でパターンが示されます。

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この記事は教育を目的としたもので、医学的助言ではありません。腹痛に対する医師の診察に代わるものではありません。アルコール離脱は、大量に飲み続けて依存のある人には危険なことがあります。毎日大量に飲んでいる場合は、医療的な支援なしに急にやめないでください。黄疸、けいれん発作、錯乱、激しい痛みがある場合は、ただちに医療機関を受診してください。

出典