禁酒アプリの選び方:ダウンロード前に確認したいポイント

Sober Tracker チーム読了目安 9 分

良い禁酒アプリは、次の3つをきちんと果たします。禁酒日数を数えること、飲みたい衝動が来た数分間にやることを示すこと、そして書いた内容を非公開に保つことです。研究によると、アプリの効果は控えめで、ほかの支援と組み合わせたときに最も役立ちます。毎日大量に飲んでいる人にとって、アプリが医師の代わりになることはありません。

最初にお伝えしておくことがあります。私たちは、このカテゴリーのアプリのひとつである「Sober Tracker: Go Alcohol Free」を開発しています。このガイドはどのアプリにも使える選び方の解説であり、終盤では、私たちのアプリにできることとできないこと、対応していないニーズも含めて、正直に一覧にしています。

2017年のコクラン・レビュー(57件の試験、34,390人)では、デジタルのアルコール対策ツールを使った人は、ほとんど支援を受けなかった人に比べて、1週間の飲酒量が約23 g少なくなりました。これは英国ユニット(1ユニット8 g)で約3、米国の標準ドリンク(1杯14 g)で約1.6杯に相当します。2020年のレビューでは、研究で検証された飲酒関連アプリは19本あり、そのうち当時ストアで入手できたのは8本、さらに飲酒の減少が示されたのは4本だけでした。2014年の試験では、入所治療を終えた349人のうち、回復支援アプリを使ったグループは、1年間の追跡で危険な飲酒日が平均1.39日、使わなかったグループは2.75日でした。そして2019年に研究者がうつ病と禁煙の人気アプリ36本を調べたところ、33本が第三者にデータを送信していました。

禁酒アプリは本当は何をしてくれるべきか

ストアにあるアプリの多くは似通っています。カウンター、バッジ、節約金額の表示です。大切なのは、どの機能が、飲酒を減らすことと結びつくとされる手法に合っているかです。先ほどのコクラン・レビューでは、行動の置き換え(飲む代わりに別のことをする)、問題解決、信頼できる情報源からの助言が、より大きな減少と関連していました。人気の節酒アプリを調べた2015年の研究では、最も多い機能は自己記録で、アプリが備える行動変容の手法は平均わずか3.6個、根拠に触れていたのは16.4%にとどまりました。

ですから、数字を眺めるだけでなく、実際に行動を促してくれる機能を探しましょう。

機能役立つ理由確認すること
禁酒日数カウンターとマイルストーン自己モニタリングと、目に見える目標になる日の記録は無料か。1回の失敗ですべて消えないか
飲酒欲求への対処ツールその場で、飲む代わりの行動ができるワンタップで開けるか。有料の壁の向こうにないか
自分の理由つらい夜に、やめようと思った理由を思い出せる飲酒欲求の画面から開けるか
節約金額と飲まずに済んだ量抽象的な進歩を実感できる数字にする自分の金額や習慣を使っているか
振り返りや日記きっかけやパターンに気づける非公開か。書き出しができるか
リマインダー1週目を過ぎても習慣を続けやすくなるひとつずつオフにできるか

インストールする前にカウント機能を試してみたい場合は、禁酒日数計算機がブラウザで動き、日付を保存しません。飲酒欲求への対処については、手法そのものを飲酒欲求を抑える方法のガイドで紹介しています。アプリは、それをポケットに入れて持ち歩けるようにするものです。

アプリ適合チェッカーSober Trackerはあなたの必要を満たしていますか?

禁酒アプリは本当に効果があるのか

一部の人には少し役立ちます。正直にまとめると「有望だが、決定的ではない」です。これは、飲酒を減らすアプリを扱った2020年のレビュー自身の表現です。著者らは、若者よりも成人のほうに明確な効果を見いだし、実際にダウンロードできるアプリの大半が一度も検証されていないことも指摘しました。

実際の試験も同じ方向を示しています。2014年のA-CHESS試験では、入所治療を終えた人向けのアプリによって、1年間で危険な飲酒日がおよそ半分になりました(1.39日対2.75日)。ただしこのアプリにはカウンセラーとの連絡機能が含まれていて、単独のダウンロードではなく、ケアプランの一部でした。

ストアのアプリを対象にした最大の検証は、2024年に発表された英国のDrink Less試験です。飲酒を減らしたい成人5,602人を、Drink Lessアプリを使うグループと、NHSの飲酒に関するウェブページを見るグループにランダムに分けました。事前登録された最も厳格な解析では、アプリ群は6か月後に週あたり約0.98ユニット多く減らしましたが、統計的に有意ではありませんでした。

欠測データの扱いを変えた、計画済みの感度分析では、2.00ユニット多く減っていました。これは本物ですが小さな効果で、Drink Lessは長年の研究に支えられた節酒アプリです。

つまり、アプリは取り組みを進めるための道具であり、取り組みそのものではありません。人との関わり、日々の習慣、そして必要なら医療を含む計画の一部として使うと、最も役に立ちます。計画の残りの部分は、お酒のやめ方のガイドで扱っています。

やめるためのアプリと減らすためのアプリ、どちらを選ぶか

この2種類のアプリは作りが違うので、最初にここを決めましょう。禁酒アプリは、飲まなかった日を数えます。節酒アプリは、1杯ごとに記録し、週ごとの上限を設定して、ガイドラインと比べます。飲酒量を減らしたいときにカウンターを使うと、毎週末に失敗している気分になりかねません。逆にやめたいときに飲酒ログを使うと、1日の中心にお酒が居座り続けます。

禁酒アプリが合っているサインはいくつかあります。節酒を試したがずるずる戻ってしまう、そもそも杯数を数えたくない、医師から断酒を勧められている、といった場合です。節酒アプリは、飲酒日を減らしたり量を減らしたりしたい人で、すでに飲酒量が低リスクの目安に近い人に向いています。自分の位置がわからなければ、AUDIT-Cのセルフチェックは2分で終わりますし、中間の領域はグレーゾーン飲酒のガイドで扱っています。

節酒向けのものを含め、個別のアプリを並べて見たい場合は、おすすめ禁酒アプリの比較をご覧ください。

禁酒アプリはどれくらい非公開なのか

それはアプリ次第です。だからプライバシーは独立した確認項目にしています。飲酒は多くの人が胸にしまっていることで、アプリには最もつらかった夜が文字で残ることもあります。

JAMA Network Openに載った2019年の研究は、参考になる警告です。うつ病と禁煙の上位36アプリのうち、33本が第三者にデータを送信し、29本が広告や分析のためにGoogleやFacebookへ送っていて、プライバシーポリシーでそれを明記していないものも多くありました。飲酒アプリは対象外でしたが、プライバシーポリシーだけではほとんど何もわからないことを示しています。

インストールする前に、次の4点を確認しましょう。

  1. ストアのプライバシー欄。 iPhoneでは掲載ページの「Appのプライバシー」、Androidでは「データセーフティ」です。「ユーザに関連付けられるデータ」とトラッキングを見てください。
  2. アカウントが必要かどうか。 メールでのログインが必要なら、記録は誰かのサーバーに置かれます。
  3. 記録の保存場所。 自分のスマートフォンか、会社のクラウドと同期されるのか。
  4. 書き出しと削除ができるか。 履歴を持ち出すことも、消去することもできるべきです。ついでに、パスコードやFace IDでアプリをロックできるかも確認しましょう。

スマートフォン自体のバックアップも忘れないでください。多くのアプリは、私たちのものも含め、iCloudやGoogleのバックアップをオンにしていればその対象になります。そのコピーはアプリの開発元ではなく、あなたのAppleやGoogleのアカウントに残ります。

無料か、フリーミアムか、サブスクリプションか

禁酒アプリの多くは、ダウンロードは無料で、料金を払うまで一部の機能が制限されます。それ自体は問題ではありません。問題は、有料の壁の向こうに何があるかです。料金や無料体験の長さは頻繁に変わり、国によっても違うので、レビューではなくストアの掲載内容を確認してください。

無料プランに頼る前に、確認したい点が3つあります。1つ目は飲酒欲求への対処ツールです。金曜の夜11時に、呼吸エクササイズがロックされていては困ります。2つ目は履歴です。支払いをやめるとリセットされるカウンターは、自分のものとは言えません。3つ目は書き出しです。データをファイルに保存できれば、あとでアプリを乗り換えても損をしません。

ひとりで進めるか、ほかの人と進めるか

コミュニティを軸にしたアプリもあります。フォーラム、チャット、見知らぬ人との毎日の宣言、バディ制度などです。一方で、ソーシャル機能のない非公開のトラッカーもあります。どちらが一般的に優れているということはありません。公開カウンターで励みになる人もいれば、それがきっかけで二度と開かなくなる人もいます。

人とのつながりがほしい場合、アプリのフォーラムはひとつの選択肢で、実際のグループはもうひとつの選択肢です。AAやSMART Recoveryのような無料の自助グループは、対面でもオンラインでも開かれています。違いについては、アルコール使用障害の治療の選択肢のガイドで説明しています。非公開のアプリと週に1度のミーティングは、組み合わせるとうまくいきます。

アプリでは足りないのはどんなときか

体がアルコールに依存してしまっているときです。毎日大量に飲んでいる人は、やめると離脱症状が出ることがあります。震え、発汗、不安、動悸、そして重い場合はけいれん発作や振戦せん妄です。アルコールの離脱は危険になり得るので、毎日大量に飲んでいるなら、医師の指導なしに急にやめないでください。症状を見守って安全を守ることは、どんなアプリにもできません。

まず医師に相談してください。多くの場合は自宅で、医師の管理のもとで計画的にやめる方法を立ててもらえます。安全にお酒を減らしていく方法と離脱で医療機関にかかるべきときのガイドに、警告サインを載せています。けいれん発作、意識の混乱、幻覚、高熱があるときは、ただちに医療の助けが必要です。

飲酒がうつ病、トラウマ、ほかの健康問題と絡み合っている場合も、アプリだけでは足りません。ケアの代わりではなく、ケアと並べて使ってください。

Sober Trackerにできること、できないこと

ここでは、上のチェックリストに照らして私たち自身のアプリを見ていきます。Sober Tracker: Go Alcohol Freeは、減らすためではなくやめるための習慣・ウェルネスのツールであり、医療ではありません。

備えているもの:

  • マイルストーンと30種類以上の実績が付いた禁酒日数カウンター。禁酒日の記録が有料になることはありません。
  • Recovery Sky:禁酒1日ごとに星が1つ増える夜空です。失敗しても星は失われません。
  • どの画面からもワンタップで開けるコーピングツールキット(SOS):アージサーフィングのタイマー、4-7-8呼吸法、HALTチェック、5-4-3-2-1グラウンディング。SOSツールが有料になることはありません。
  • 私の理由、目標、自分で入力した金額から算出する節約金額、ボディタイムライン、毎日の名言。
  • 気分のチェックイン、感謝のプロンプト、飲酒欲求の記録のためのReflectタブと、Progressタブのグラフ。
  • iOSとAndroidで使える任意のリマインダーとホーム画面ウィジェット、そしてバックアップファイルへの書き出し。
  • 記録はお使いの端末に保存され、私たちに送信されることはありません。アカウントもクラウド同期もありません。

ないもの:コミュニティ、チャット、スポンサー。節酒のための1杯ごとの記録。コーチング、セラピー、解毒(デトックス)の指導。端末間の同期。スマートウォッチ用のアプリ。また、振り返りの記述や経過写真の比較スライダーなど一部の機能には、無料プランの制限があり、Proにアップグレードすると使えます。

自分にとって大切なニーズをタップして、アプリが対応しているものと、残りをどこで探せばよいかを確かめてください。

インタラクティブアプリ適合チェッカー

Sober Trackerはあなたの必要を満たしていますか?

禁酒アプリに求めることをタップしてください。私たちが対応していない項目も含め、それぞれに正直に答えます。

あなたが重視することいくつでも選べます
  • プライバシーSober Trackerにあります

    記録はお使いの端末に保存され、私たちに送信されることはありません。アカウントもクラウド同期もありません。

  • 禁酒日数のカウントSober Trackerにあります

    マイルストーンと30種類以上のバッジ付きの禁酒日数カウンター。禁酒日の記録は無料です。

  • 飲酒欲求への対処Sober Trackerにあります

    コーピングツールキットとSOSボタンはワンタップで開きます。アージサーフィングのタイマー、4-7-8呼吸法、HALTチェック、グラウンディングを備えています。SOSツールは無料で、有料化されることはありません。

選んだ3項目のうち3項目がSober Trackerにあります

選んだものはすべてアプリに入っています。

Sober Trackerは私たちが開発しているアプリです。その点を踏まえてこの一覧をご覧ください。これは習慣づくりのツールであり、医療ではありません。毎日大量に飲んでいる場合は、やめる前に医師に相談してください。

Sober Tracker が断酒日数を数え、渇望への SOS ツールをワンタップで使えるようにします。

よくある質問

禁酒に最適なアプリは何ですか?

1か月後にも開いているアプリが最適です。まず目標から考えましょう。やめたいなら禁酒アプリ、減らしたいなら節酒アプリです。そのうえで、プライバシー、飲酒欲求への対処ツールが無料で使えるか、データを書き出せるかを確認してください。個別のアプリは、私たちのアプリ比較で取り上げています。

禁酒アプリは本当に役立ちますか?

一部の人には、控えめに役立ちます。2017年のコクラン・レビューでは、デジタルツールによって飲酒量が平均で週に約23 g減り、2014年の試験では入所治療のあとの危険な飲酒日がおよそ半分になりました。ただし、ストアにあるアプリの大半は一度も検証されていないので、ほかの支援と並べて使う道具と考えてください。

アプリはAAや治療の代わりになりますか?

なりません。アプリは、通院やミーティングの合間に経過を記録し、飲酒欲求に対処する助けにはなりますが、診断することも、薬を処方することも、グループが提供する人どうしの支えを与えることもできません。毎日大量に飲んでいるなら、急にやめると危険な離脱症状が出ることがあるため、最初の一歩は医師への相談です。

無料の禁酒アプリは使えますか?

多くは使えます。無料プランでは、カウンター、マイルストーン、飲酒欲求へのちょっとした助けなど、基本が揃っているのが一般的です。決める前に、特に飲酒欲求への対処ツールと履歴が有料の壁の向こうにないか、乗り換えても進捗を失わないようにデータを書き出せるかを確認しましょう。

禁酒アプリでデータは安全ですか?

アプリによります。ストアの「Appのプライバシー」や「データセーフティ」の欄を読み、アカウントが必要かどうか、記録が端末に残るのかサーバーと同期されるのかを確かめてください。2019年の研究では、人気のメンタルヘルスと禁煙のアプリ36本のうち33本が第三者にデータを送信していました。

正直なまとめ

実際に持っている目標に合ったアプリを選び、個人的なことを入力する前にプライバシー欄を確認し、夜の11時に必要になる助けがロックされていないことを確かめましょう。そのうえで、アプリは計画の一部であって、計画そのものではないと考えてください。

非公開の禁酒アプリが合うなら、Sober Tracker: Go Alcohol Freeは、禁酒日数を数え、1日ごとにRecovery Skyへ星を1つ加え、飲酒欲求のときはコーピングツールキットをワンタップの場所に置きます。記録はお使いの端末に保存され、私たちに送信されることはなく、アカウントも不要です。App StoreまたはGoogle Playから無料でダウンロードできます。これは習慣・ウェルネスのツールであり、治療ではなく、医師やグループの代わりにもなりません。

この記事は教育を目的としたもので、医療上のアドバイスではありません。毎日大量に飲んでいる場合は、やめる前に医師に相談してください。重い離脱症状が出たときは、ただちに医療の助けを求めてください。

出典